2013年4月5日

カメラを買うまでの楽しい半年間


久しぶりにデジタルカメラを買った。
それまで我が家で使っていたカメラは、7年前に購入したもの。
当時は最新の機種だったが、長年の酷使のせいか
液晶画面が靄がかかったようにボンヤリしている。
スマートフォンのカメラ機能も捨てたもんじゃないが、
ここ一発の時には、「ちゃんとしたカメラ」がないと様にならない。
さて、どんなカメラを次の相棒にしようか。

カタログやネット情報を読みあさり、実際に店頭で触ってみて
気に入ったのは、ニコンのコンパクトカメラ。
ブラックの角ばったボディにf1.8という明るいレンズが付き、
絞りやシャッタースピードなどを自分で設定できる
ちょっと上級者向け(?)のタイプだ。
当然のことながら、価格はちょっとお高め。
手持ちの現金では全然足りない。

こういう時は、あせらずじっくり
価格が下がるのを待つのが、僕の買い物のしかただ。
他の機種に浮気することなく、日々店頭の価格表示を確認するのである。
ネット通販で買えば手っ取り早いのに、と言われることも多いが、
店頭でアレコレ店員さんと会話をして、時には丁々発止と価格交渉する。
そんなリアルな「買い物という行為」自体が好きなのだ。

はやる気持ちをグッと堪えて 家電量販店の価格を毎日のように眺めていると、
不思議なことに気づく。同じ製品でも、毎日のように価格が変わるのだ。
見るたび1,000円単位で下がっていったかと思うと、翌日には5,000円も上がったり。
タイムセールと称して、突然びっくりするような価格になったり。
客の懐具合を勘案し、他店の動向をひっきりなしに調査することで
その日その時の価格を決定しているのだろうか。大変な手間である。
こちらも、その日の価格を睨みながら一喜一憂することになる。

年末になり、件のカメラに次期モデルの噂が出始めたころ、
1軒の家電量販店Y 今まで見たことのないプライスタグを見かけた。
なんと発売当初の半値以下だ。
最廉価モデルと同程度の価格に驚きつつも、
懲りずに別のカメラ量販店Bを覗くと、こちらでは4,000円ほど高い価格表示。

もちろん、ここで引き下がるわけではない。
店員さんを捕まえて「Y○○店では00,000円だったけど」とぶつけてみる。
年配の店員さんは渋い顔で「ちょっとお待ちください・・・」と唸りながら
一度バックヤードに下がり、5分ほどで「では同じ値段でいいですよ」と回答してくれた。
これがもう底値だろうと踏んで、購入を決断した。

店員さんは、そのカメラを使った「接写のしかた」や
「夜景を上手に撮るコツ」なんてことを教えてくれながら
「ジャストフィットするカメラケース」と「動画を撮る際に最適なSDカード」を紹介してくれた。
今まで知らなかった知識を得ることができ、必要なものを手早く揃えることができた。

結果的に、ネット通販より安く買えたかどうかは定かではないが、
とても楽しい「買い物の時間」を過ごすことができた。
いや、価格を調べていた当初の半年間だって楽しい時間であった。
数万円で半年間楽しめた、と考えれば 充分に元が取れたかも。

いや、もはや「買うまでの過程」さえ楽しめれば、
本当に買う必要はないのかも・・・なんて考えてしまう(笑

クリックするだけで簡単に物が買える今だからこそ、
このようなリアルな買い物の時間を、大切にしたい。



Nikon COOLPIX P310

0 件のコメント:

コメントを投稿